[レポートシェアリング] 「2024年第2四半期デジタル市場インデックス」

第2四半期もデジタル経済は急速な成長を続け、モバイルアプリに対する全世界の消費者支出は前年同期比で約12％増加しました。同様にデジタル広告への支出も、アメリカで15％増加しました。

デジタル経済の成長率は市場全体で他を凌駕しており、これまでになく重要性が高まっています。また、デジタル広告とモバイルの相互関連性が強まるにつれ、この経済の全体像を把握し、企業がどのように成長を推進しているかを理解することは、ますます重要になってきます。

Sensor Towerとdata.aiのパワーを組み合わせて制作したSensor Towerの最新のデジタル市場インデックスレポートは、モバイルアプリのパフォーマンス、デジタル広告、リテールメディアにわたる最新動向を捉えます。モバイルにおいては、アプリとゲームへの全世界の消費者支出は、2024年第2四半期に362億ドルの新記録を達成し、2023年第2四半期の324億ドルの消費者支出から11.7％上昇しました。一方、アメリカのデジタル広告費は、前年同期比で15％増加し、272億ドルに到達しました。

第2四半期はアプリとゲームの両方でモバイル消費者支出成長率が加速

2024年第2四半期に消費者が支出した対象を詳しく見てみると、大半（197億ドル）は引き続きモバイルゲームに費やされています。最近の回復は、モバイルゲームが数年間の停滞を経て好調に転じつつあることを示唆しており、2024年第2四半期には前年同期比の成長率を4四半期連続でプラスにしています。アプリとゲームの比率はよりバランスの取れた状態になってきていますが、アプリが2024年第2四半期の合計の46％を占めており、1年前の2023年第2四半期の合計の42％から上昇しています。現段階で、非ゲームアプリへの支出が、来年にはゲームへの支出を上回る可能性が出てきました。

このようなアプリの急速な成長をもたらしているものは何でしょうか。すべてのトップカテゴリーが前年同期比でプラスの成長を記録しており、生産性、写真＆動画、エンタメ、実用のカテゴリーは、それぞれ前年同期比で少なくとも20％の支出増加を見せています。サブスクリプションモデルの継続的な人気に、消費者がモバイルに費やす時間の増加、そしてモバイルデバイスでの支払いの容易さが相まって、これらのアプリによるマネタイズがかつてない規模で実現可能になっています。

2024年第2四半期のトップアプリには、使い慣れたおなじみの製品が多数含まれています。TikTokは全世界の消費者支出とダウンロード数の両方でランキングのトップに立っています。その他のアプリはこれら両方の指標でトップ10にも到達していないことを考えると、これはなおさら特筆すべき点と言えます。ByteDanceが送り出した人気のあるソーシャルメディアアプリは、またしても全世界の1四半期当たり消費者支出の記録を更新し、2024年第2四半期に13億ドルを突破しました。これによってTikTokは、モバイルゲーム『Honor of Kings（王者荣耀）』に続いて、累計支出額が140億ドルを突破する史上2つめのアプリになりました。

ByteDanceのTikTokとCapCutは、Metaが所有する5つのアプリ（Instagram、Facebook、WhatsApp Messenger、Messenger、WhatsApp Business）と並んで、今四半期のダウンロード数でトップアプリに加わりました。これによって、トップ10のアプリのうち、ByteDanceまたはMeta以外が所有するアプリは3つのみとなりました。モバイル市場が成熟するにつれ、新しいアプリが定評のあるアプリに挑むことはますます難しくなっています。しかし、そうだとしても不可能だというわけではありません。eコマースアプリのTemuは、リリースから2年も経っていないにもかかわらず、今四半期にトップ5に躍り出ました。

TikTokとInstagramはアメリカのソーシャル広告費の成長率をリード

モバイル、デスクトップ、OTTにわたるアメリカのデジタル広告費は、2024年第2四半期に270億ドルを超え、インプレッション数は3.3兆に上りました。これによって、今四半期も前年同期比15％、前四半期比4％という強力な成長率を達成しました。2023年第4四半期のみが、アメリカでのショッピングシーズンのピークを迎えたことで、今四半期よりも高い広告費を記録しています。ソーシャルチャネルでは、前年同期比でTikTokが28％、Instagramが23%の成長率でトップに立っています。

調査対象となっているその他すべての市場では、少なくとも10％の前年同期比成長率が見られ、オーストラリアのデジタル広告費の成長率は21％を超えました。対応している広告チャネルは市場により異なります。