モバイル放置RPGは一般的なモバイルRPGほど操作は必要なく、文字どおり放置しておくだけである程度プレイが可能なジャンルです。すきま時間やほかのモバイルゲームと掛け持ちプレイがしやすいこともあって、人気が広がってきています。
Sensor Towerのストアインテリジェンスのデータによると、日本はモバイルゲームの主要市場と比較して、モバイル放置RPGの収益が高いことがわかります。
日本は2023年のモバイル放置RPGジャンル収益で2.8億ドル以上を記録しています。これは2023年の世界のモバイル放置RPG収益の24%に相当し、世界最高シェアです。2位はアメリカ(18%)、3位は韓国(16%)と続き、中国を合わせた4つの市場で世界のモバイル放置RPG収益の70%のシェアを占めています。
日本におけるモバイル放置RPGでは、『放置少女 - 百花繚乱の萌姫たち』(C4 Connect)と『ドット勇者 三時のおやつと昼寝付きの冒険』(EFUN COMPANY)が市場をリードしています(『放置少女 - 百花繚乱の萌姫たち』はブラウザ版も提供されていますが、以降ではモバイル版のみを対象としています)。
Sensor Towerのデータによると、2023年のモバイル放置RPG収益ランキングで、『放置少女 - 百花繚乱の萌姫たち』が1億ドル以上の収益を上げトップに、『ドット勇者 三時のおやつと昼寝付きの冒険』が6,500万ドル以上の収益で2位となりました。
『放置少女 - 百花繚乱の萌姫たち』は2017年3月にリリースされ、間もなく7周年を迎えますが、『ドット勇者 三時のおやつと昼寝付きの冒険』の日本でのリリースは2023年9月です。集計期間が4ヵ月程度であることを考えると、6,500万ドルの収益は急速に人気を得ていることがわかります。
『放置少女 - 百花繚乱の萌姫たち』と『ドット勇者 三時のおやつと昼寝付きの冒険』のリリースから4ヵ月間の累積収益推移を見ると、その勢いが確認できます。『放置少女 - 百花繚乱の萌姫たち』と『ドット勇者 三時のおやつと昼寝付きの冒険』の収益差は、ここ数年の放置RPG人気の高まりも反映していると予測できます。
『ドット勇者 三時のおやつと昼寝付きの冒険』はどのような手法で日本におけるモバイル放置RPGのポジションを確立したのでしょうか。大きな要因は、大量の広告投下だと推測できます。
Sensor Towerのデータによると、2023年第4四半期の日本におけるApple Search Adsのモバイル放置RPGジャンルSoV(シェアオブボイス)において、1位が『放置少女 - 百花繚乱の萌姫たち』、2位が『ドット勇者 三時のおやつと昼寝付きの冒険』となっています。
ところが、『ドット勇者 三時のおやつと昼寝付きの冒険』はほかの広告ネットワークにも広告を投下しており、2023年第4四半期の日本におけるモバイル放置RPGジャンルSoVにおいてX(旧:Twitter)、YouTube、TikTok、Facebook、Instagramのすべてでトップとなっています。『放置少女 - 百花繚乱の萌姫たち』はこれらの広告ネットワークにおいてはトップ5にも入っておらず、同ジャンルでは『ドット勇者 三時のおやつと昼寝付きの冒険』の独占といえる状態です。
日本で人気のモバイルRPGのユーザー分布を見ると、『放置少女 - 百花繚乱の萌姫たち』と『ドット勇者 三時のおやつと昼寝付きの冒険』はうまく棲み分けができていることがわかります。Sensor Towerのデータによると、2023年第4四半期の日本のApp Storeにおけるユーザー分布では、どちらのタイトルも平均年齢は35歳前後です。
一方、ユーザーのボリュームゾーンを見ると、『放置少女 - 百花繚乱の萌姫たち』では25~34歳、『ドット勇者 三時のおやつと昼寝付きの冒険』では35~44歳が最も大きくなっています。これはゲーム性の部分もあると思われますが、『放置少女 - 百花繚乱の萌姫たち』が2Dアニメ調のタッチであるのに対し、『ドット勇者 三時のおやつと昼寝付きの冒険』ではピクセルグラフィックを採用しており、この点でも支持の大きい年齢層が分かれていると推測できます。
Sensor Towerのストアインテリジェンスのユーザーは、過去のパフォーマンス指標に加えて、アプリ収益とアプリダウンロード数の推定値を見ることができます。本レポートのSensor Towerの収益予測は、App StoreおよびGoogle Playからのもので、ユーザー総消費額を表しています。
また、データにはサードパーティのAndroidマーケットデータは含まれておらず、App StoreもしくはGoogle Playアカウントの初回ダウンロードのみ集計しています。同じアカウントが他のデバイス、もしくは同じデバイスで行った重複ダウンロードは集計に含まれていません。ダウンロードデータは同じアプリの異なるバージョンもまとめて集計しています(例:FacebookとFacebook Lite)。
Sensor Towerのストアインテリジェンスで上記ゲームタイトルの過去のデータを検索しましょう!「ミーティングを希望」ボタンから弊社スタッフとのお打ち合わせの設定が可能です。 : https://sensortower.com/ja/demo
Sensor Towerの紹介
2013年にサンフランシスコで設立されたSensor Towerは、Twitter、Unity、Tencent、HBOなどのグローバルデジタル企業から信頼されている、データや分析環境を提供する企業です。モバイル市場のトレンド把握に役立つストアインテリジェンス、広告戦略の最適化に活用いただける広告インテリジェンスなど、デジタル分析プラットフォームとしてモバイルのあらゆる場面で質の高いインサイトと先進のカスタマーサポートを提供しています。
日本オフィスは2023年夏より東京・日暮里に移転、日本でのビジネスを強化しており、パートナー企業様も急増中です。弊社スタッフも増員しながらお客様のサポートもより強化していく所存です。
Sensor Tower - モバイル市場の羅針盤
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