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STORE INTELLIGENCE · HIDEYUKI TSUJI · DECEMBER 2023

呪術廻戦 ファントムパレードがリリース2週間で2,000万ドル以上の収益を記録、ウマ娘に続くCyberAgentの新たな収益の柱になるか

2023年11月にリリースされた『呪術廻戦 ファントムパレード』が、同月の日本における収益成長量で2位となる好スタートを切りました。パブリッシャーSumzapはCyberAgentの子会社ですが、この好スタートによってCyberAgent全体の収益に大きく貢献をしており、同社の2023年11月収益の30%近くのシェアを占めました。

Phantom Parade

収益ランキング2位でスタートしたファンパレ、レーティングも星4以上が95%以上の高評価

2023年11月21日に正式リリースされた『呪術廻戦 ファントムパレード』(Sumzap)は、タイトルどおり人気TVアニメ『呪術廻戦』のIPをベースにした同IP初のモバイルゲームです。『呪術廻戦』は、2021年には映画『劇場版 呪術廻戦 0』が公開、現在TVアニメではSenson 2が放送されています。

『呪術廻戦 ファントムパレード』では、アニメのストーリーを新規フルボイスで再現されているだけでなく、さまざまなキャラクターの視点で描かれるストーリーもフルボイスで実装。自分だけのチーム編成で挑むバトルなど、ファン待望の一作となっており、事前登録者数も100万人を突破しました。

Sensor Towerのストアインテリジェンスのデータによると、2023年11月21日の正式リリース当日から日本のApp Storeにおけるトップ収益ランキングで2位のロケットスタートを見せました。翌日の11月22日からは1位となり、その後もトップ10圏内を維持。無料ダウンロード数ランキングでは正式リリース当日から1位で、その後12日間はトップ5圏内で推移しました。

Ranking-Trend-Phantom-Parade

『呪術廻戦 ファントムパレード』はプレイヤーからも高い評価を受けています。Sensor Towerのデータによると、日本のApp Storeに」おける2023年11月21日から12月4日までのレーティングでは、星5評価が90%以上、星4評価を合わせると95%以上になっており、同IP初のモバイルゲームとしてもプレイヤーに受け入れられていることがわかります。

Rating-Phantom-Parade

11月の収益成長量で2位となったファンパレ、CyberAgentモバイルゲーム収益シェアの29%に

『呪術廻戦 ファントムパレード』のパブリッシャーであるSumzapはCyberAgentの子会社で、同作の他にも複数のモバイルゲームをリリースしています。Sensor Towerのデータによると、2023年9月、10月の同社のモバイルゲーム別シェアでは、『戦国炎舞 -KIZNA-』がトップで同社の収益シェアの65~70%を占めています。

一方、『呪術廻戦 ファントムパレード』リリース後の2023年11月の収益シェアは、同作が1,600万ドル以上の収益を上げ、90%以上を占めています。同作は集計期間が10日間であることを考えると、驚異的なスピードで収益を上げていることがわかります。

Sumzap-Revenue-Share-by-Game

SumzapのIPタイトルとしては、『この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ』があります。2020年2月にリリースされた同作は、『この素晴らしい世界に祝福を!』IPを活用したモバイルゲームで、全編フルボイスのストーリー、自由度の高いパーティー編成など、『呪術廻戦 ファントムパレード』と同じ点が多いモバイルRPGです。

Sensor Towerのデータによると、『この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ』のリリース(2020年2月27日)から2週間の日本における収益は1,500万ドル近く、ダウンロード数は120万を突破しています。

一方、『呪術廻戦 ファントムパレード』のリリース(2023年11月21日)から2週間の日本における収益は2,000万ドル以上、ダウンロード数は160万以上となっており、同社のIPモバイルゲームとしても成功と言えるデータが確認できます。

Revenue-Comparison-Sumzap-Games

『呪術廻戦 ファントムパレード』の好スタートは、CyberAgent全体のモバイルゲーム収益にも大きなインパクトを与えています。Sensor Towerのデータによると、同作リリース前の2023年10月の日本におけるCyberAgentのモバイルゲーム収益シェアでは、1位が2,900万ドル以上の収益を上げた『ウマ娘 プリティーダービー』で約60%の収益シェアを占めています。

一方、11月でも1位は同じく『ウマ娘 プリティーダービー』ですが、収益シェアは38%と後退しています。しかし、『呪術廻戦 ファントムパレード』が収益シェア29%に達して2位となっており、この2タイトルを合わせた2023年11月の収益は、3,700万ドル以上に達しています。

『呪術廻戦 ファントムパレード』の急成長は、日本のモバイルゲーム全体で見ても際立っています。Sensor Towerのデータによると、2023年11月の日本におけるモバイルゲーム収益成長量で、2位となっています。上位4タイトルは既存タイトルですが、同作は2023年11月21日の正式リリースから10日間での2位であることを考えると、驚異的な成長と言えます。また、集計範囲を同作リリースから2週間の2023年12月4日までで見ると、1位となっています。

Revenue-Growth-Top-5

前述したプレイヤーからの高評価やモバイルゲームとしての面白さに加え、リリース直後の2023年11月24日から同作初のストーリーイベント「望郷の境界線」の開催したことなどが好成績に繋がっていると推察できます。今後の展開次第では、同作は『ウマ娘 プリティーダービー』に次ぐ、CyberAgentの大きな収益の柱になる可能性を秘めています。

Sensor Towerのストアインテリジェンスのユーザーは、過去のパフォーマンス指標に加えて、アプリ収益とアプリダウンロード数の推定値を見ることができます。本レポートのSensor Towerの収益予測は、App StoreおよびGoogle Playからのもので、ユーザー総消費額を表しています。

また、データにはサードパーティのAndroidマーケットデータは含まれておらず、App StoreもしくはGoogle Playアカウントの初回ダウンロードのみ集計しています。同じアカウントが他のデバイス、もしくは同じデバイスで行った重複ダウンロードは集計に含まれていません。ダウンロードデータは同じアプリの異なるバージョンもまとめて集計しています(例:FacebookとFacebook Lite)。

Sensor Towerのストアインテリジェンスで上記ゲームタイトルの過去のデータを検索しましょう!「ミーティングを希望」ボタンから弊社スタッフとのお打ち合わせの設定が可能です。 :

https://sensortower.com/ja/demo

Sensor Towerの紹介

2013年にサンフランシスコで設立されたSensor Towerは、Twitter、Unity、Tencent、HBOなどのグローバルデジタル企業から信頼されている、データや分析環境を提供する企業です。モバイル市場のトレンド把握に役立つストアインテリジェンス、広告戦略の最適化に活用いただける広告インテリジェンスなど、デジタル分析プラットフォームとしてモバイルのあらゆる場面で質の高いインサイトと先進のカスタマーサポートを提供しています。

日本オフィスは2023年夏より東京・日暮里に移転、日本でのビジネスを強化しており、パートナー企業様も急増中です。弊社スタッフも増員しながらお客様のサポートもより強化していく所存です。

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Hideyuki Tsuji

Written by: Hideyuki Tsuji, Mobile Insights Strategist - Japan

Date: December 2023