2023年の世界のモバイルゲーム市場は全体として安定傾向にあり、収益が767億ドルに達して新型コロナウイルス流行前の水準を22%上回っています。モバイルゲームの世界収益は、2024年に回復することが見込まれており、2028年には1,000億ドルを突破することが予想されています。本レポートでは、世界のモバイルゲームの収益推移ならびにミッドコア、カジュアル、RPG、パズルなどジャンル別の収益の変化について紹介しているほか、カテゴリ別に人気モバイルゲームの詳しい分析を行っています。さらに詳しい情報については「続きを読む」をクリックして、レポート全文を無料ダウンロードしてください。
注:本レポートはアプリストアにおける収益のIAP推定値のみを集計しており、広告収入およびサードパーティーのAndroidマーケットでの収益は含まれていません。
新型コロナウイルス流行に伴う巣ごもり特需を受け、モバイルゲームの世界収益は2021年に過去最高の860億ドルを記録しましたが、その後特需が徐々に減退し、2022年のモバイルゲーム世界収益は9%減少しました。2023年の総収益は767億ドルに達し、基本的に下落傾向に終止符が打たれました。モバイルゲームの世界収益は、2024年以降再び回復することが見込まれており、2028年には1,000億ドルを突破することが予想されています。
モバイルゲーム収益を地域別に見た場合、アメリカが依然として最も多く、2023年の収益は前年水準を維持しており、2019年より38%高い水準にあります。2024年から2028年にかけてアメリカにおけるモバイルゲームの収益は緩やかに成長し、2028年に335億ドルに達すると見込まれています。中国のApp StoreにおけるモバイルゲームIAP収益も同様に安定的に推移しており、2022年の時点で収益が151億ドルに達しています。日本と韓国においては程度は異なるものの、いずれも減少が見られます。
2023年は『MONOPOLY GO!』や『Eggy Party』などの新作ゲームが人気となった上、『ロイヤルマッチ』『トラベルタウン』『Gossip Harbor®: Merge & Story』などのモバイルゲームの人気も高まり、プレイヤーのモバイルカジュアルゲーム対する支出が顕著に増加しました。中でもモバイルハイブリッドカジュアルの収益は30%増加して21億ドルを上回りました。
モバイルミッドコアゲームの収益は緩やかに減少していますが、それでもなおモバイルゲーム世界総収益の59%を占めています。このうちRPGとストラテジーゲームの2023年の収益は、それぞれ200億ドルおよび148億ドルで、2023年から10%減少しています。
2023年のモバイルパズルゲームのIAP収益は100億ドルになり、マッチ3とマージの収益増加が顕著です。『ロイヤルマッチ』に代表されるオーソドックスなマッチ3ゲームの収益が最も多く、2023年の収益は13%増の64億ドルとなりました。また、『トラベルタウン』と『Gossip Harbor®: Merge & Story』の収益成長率はそれぞれ426%および452%に達し、これに伴ってモバイルマージパズルゲームの収益は36%増加して9億ドルとなりました。
ボードゲームとしての面白さと競技性・ソーシャルネットワークの要素をパッケージングしたScopelyの新作ゲーム『MONOPOLY GO!』は、リリース後間もなくアメリカ、イギリスを始めとする数多くの欧米市場においてiOSモバイルゲームダウンロード数ランキングでトップに立ちました。2023年に12億ドルにのぼる収益を上げ、世界収益成長ランキングでトップに立ち、モバイルカジノゲームの収益を18%押し上げました。
2023年のモバイルRPG総収益は軟調さが垣間見え、前年から10%減少して2019年の水準に近づいています。しかし、これまでに体験したことがないアートスタイル、プレイスタイル、テーマを提供する高品質の新作ゲームが引き続き多数リリースされたことによって、その収益増加には目を見張るものがあります。中でもmiHoYoがリリースした『崩壊:スターレイル』とNetEaseの『逆水寒』は、モバイルRPG収益成長ランキングにおいて、それぞれ1位および2位を獲得しました。
モバイルストラテジーゲームの2023年の世界収益は、前年から10%減少して148億ドルとなったものの、2019年より22%高い水準にあります。市場全体としては収益が縮小傾向にあるモバイルシミュレーションゲームにおいて、Century Gamesの新作4Xストラテジーゲーム『ホワイトアウト・サバイバル』が世界収益を3.7億ドル増加させ、モバイルストラテジーゲーム市場成長のダークホースとなりました。