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data.aiの新しい「2024年版モバイルゲーム市場年鑑レポート」の概要で2023年のモバイルゲーム業界の最も重要なインサイトを是非ご覧ください。
モバイルゲーム市場は近年、さまざまな混乱期を経験しました。1番目はコロナ禍開始時の急成長、その後のインフレ、経済の不透明感、新しい個人情報保護規則などの逆風です。「2024年版モバイルゲーム市場年鑑レポート」によると、モバイルゲームにおける世界全体の消費支出は2年連続で下降、2023年には1,073億ドルに落ち込み、またそのダウンロード数ははじめて880億回近くまで減少しました。
しかし、強力な成長がすぐそこまで来ていることを示す明確な兆候がいくつかありました。2023年の消費支出は前年比2%減となったものの、これは、2021年~2022年の5%減に比べれば改善しています。米国 (前年比成長率は減少後の2022年に比べると2023年にはほぼ同水準)、イギリス (+9%)、韓国 (+21%) など、多くの市場には、立ち直りの兆しが出ていました。実際、Top 10市場の半数 (そしてTop 20市場の65%) は、2023年には前年比でプラス成長しており、モバイルゲームメーカーは適切な市場をターゲットにしていれば成長機会を見つけられることがわかります。
市場には課題がまだあるものの、個々のゲームタイトルは突破する道をいまも発見し続けています。2023年に消費支出が10億ドルを超えたのは7タイトル。2022年より1つ増えました。『ガーデンスケイプ (Gardenscapes)』ははじめてこの大台に到達。一方、『Monopoly GO』や『崩壊:スターレイル(Honkai: Star Rail) 』などのリリースは、ほぼ一瞬で成功を手にしました。
ダウンロード数では、15ゲームの初回インストール数が1億回に到達しましたが、2023年に20ゲームがこの閾値に到達したときからみれば低下しています。2022年に比べて最速で上昇したゲームは、『ブロックブラスト: Adventure Master』、『ロイヤルマッチ(Royal Match)』、『Monopoly GO』です。
新しいゲームの市場への新規参入は以前よりも難しくなっているのでしょうか。 最新データを見るかぎり、どうもそのように思われます。米国では、ダウンロード数上位の1,000ゲームのうち、2023年に新しくリリースされたのは13.3%のみ。過去5年間のどの年よりも低下。2020年には上位1,000ゲームの約30%に比べるとかなりの低下です。2023年に米国でリリースされた新しいゲームの中で上位に入ったのは、『Monopoly GO』、『Gacha Life 2』、『崩壊:スターレイル (Honkai: Star Rail)などになります。
しかし、新規リリースゲームを巡るこの戦いは、やや誤解を招きやすい部分もあるかもしれません。この変化の大部分は、「ハイパーカジュアル」ゲーム市場 (陳列期間が短くどちらかというとピックアップ&プレイ系のゲーム) の落ち込みによるものです。2023年の米国でのダウンロード数で上位1,000ゲームに入った新しい「ハイパーカジュアル」ゲームは54だけで、2022年の97から減少していますし、ピークを記録した2020年の210に比べれば大きく減少しています。「ハイパーカジュアル」を除けば、上位1000に到達した新しいゲームの数は、2022年の55から、2023年には、2020年以降最高の79に増加しています。
米国での消費支出で上位1,000ゲームを見ると、新しいタイトル数は、2022年に比べると、2023年には若干増加、3か年の下降傾向を逆転しています。これらの新しいゲームにおける米国での平均消費支出は1600万ドルで、それ以前の各年度の平均を大きく上回っています。『 Monopoly GO』は、2023年の米国での消費支出が6億8000万ドルと、この平均を引き上げる役割を果たしました。
2023年の消費支出上位のサブジャンルは、「4Xマーチバトル (ストラテジー)」、「MMORPG」、「チームバトル (RPG)」、「スロット (カジノ)」と、2022年から変わっていません。しかし、これらのゲームの重要市場は変わっています。米国での上位サブジャンルは、「スロット」と「4Xマーチバトル」でしたが、韓国と日本ではそれぞれ「MMORPG」と「チームバトル」が先頭に立ちました。これら4つのサブジャンルだけでその合計は、2023年のモバイルゲームにおける世界全体の消費支出の3分の1以上を占めています。
モバイルゲームの収益化の配分状況はいまも良好です。Top 20全体に9つものサブジャンルが含まれています。Top 4以外にランキングされたものの中には、新しいタイトルに最も大きな成長機会を提供する可能性をもつものもあります。2023年に最速で成長したサブジャンルは、「運任せバトル (パーティー)」、「マッチ3 (マッチ)」、「マージ (マッチ)」、「放置RPG」、「シミュレーションスポーツ」などでした。
ダウンロード数でTop 4のサブジャンルも、2022年同様、「ハイパーカジュアル」の各サブジャンルが上位3位を占めています。消費支出と同様に、新しく登場したサブジャンルの中には、より優れた新しい成長の源泉となりそうなものもあります。Top 5のサブジャンル各々のダウンロード数は前年比で低下しましたが、「シミュレーションスポーツ」、「レースシミュレーション」、「4Xマーチバトル」などのその他のサブジャンルは、2023年にプラス成長を達成することができました。「ハイパーカジュアル」ゲームやその他の広告マネタイズを図るゲームの苦難が続くのであれば、この穴を埋めるための新しいマネタイズ戦略をもつ他のサブジャンルに目を向ける必要があります。
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