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Sensor Tower · Hideyuki Tsuji · June 2025

『ジハンピ』が全国展開に合わせてDL数が急増して『ChatGPT』に次ぐDL成長量、3本無料施策と最短60秒登録がカギ

サントリーの自販機キャッシュレスアプリ『ジハンピ』が、2025年3月以降にダウンロード数が急増しています。2025年1月から4月までに200万近いダウンロード数を記録しており、日本の飲食カテゴリーアプリのダウンロード数成長量では2位の『バーガーキング』に2倍近い差をつけてトップとなっています。

Jihanpi-Hero

13種類の決済と5種類のポイントに対応したジハンピが2025年3月下旬から全国展開

汗ばむ陽気になってきて、水分補給やリラックスのために自動販売機で飲料を買うことが増えてきたのではないでしょうか。ですが、日本の飲料自動販売機におけるキャッシュレス対応比率は約40%と言われており、コンビニやスーパーなどに比べて遅れをとっています。サントリーの調査によると、「財布を持ち歩いてなかった」「小銭を使いたくなかった」などの理由で、キャッシュレス非対応の自動販売機での購入を断念した人が約30%もいたと言います。

こうした機会損失を補うべく、登場したのが『ジハンピ』(SUNTORY BEVERAGE SOLUTION)です。『ジハンピ』はサントリーの自動販売機用キャッシュレスアプリで、2024年12月に北海道エリアでサービス展開が始まりました。PayPayやクレジットカードなど、日本で人気のキャッシュレス決済13種類を同アプリに連携でき(2025年3月現在)、アプリだけで飲料の購入が可能です。また、楽天ポイントやdポイントなど5種類のポイントも連携可能で、所持しているポイントを使って飲料を購入したり、ポイントを貯めたりすることもできます。

この『ジハンピ』が2025年3月28日から全国展開を開始しました。Sensor Towerのデータによると、2025年1月から4月までの同アプリが属する飲食カテゴリーアプリのダウンロード数成長量において、『ジハンピ』は唯一150万以上を記録してトップとなっています。

DL-growth-top5-Food-adn-Drink-category-JP

2位の『バーガーキング』(Burger King Japan)との差は2倍以上となっており、急激にダウンロード数が伸びていることがわかります。モバイルゲームを含む、日本における同期間のダウンロード数成長量で見ても、この勢いの大きさがわかります。Sensor Towerのデータによると、2025年1月から4月までの日本におけるモバイルアプリ(モバイルゲームを含む)のダウンロード数成長量で6位となっています。

DL-growth-top6-JP

トップ6中4つがモバイルゲームで、モバイルアプリ(非ゲーム)として見た場合、『ChatGPT』(OpenAI)に次ぐ成長量であることがわかります。

この急激なダウンロード数の伸びは、全国展開開始(2025年3月28日)からさらに勢いを増しています。Sensor Towerのデータによると、『ジハンピ』の日別ダウンロード数推移では、3月10日あたりから伸び始め、4月に入ってからさらにその伸びが大きくなっており、4月13日には5万以上/日のダウンロード数を記録しています。

Downloads-trend-Jihanpi-JP

この要因は、多種類のキャッシュレス決済やポイントプログラムに対応していることに加え、支払い方法連携後に飲料が3本無料(300円以下の商品)になるキャンペーンが原動力になっていると推察できます。また、名前、年齢、メールアドレスなどの情報登録は不要という点もダウンロードの促進につながっていると思われ、同社では「初期設定は最短60秒」を謳っています。

リリースから9年経過の『Coke ON』とダウンロード数ランキングで上位を競い合う『ジハンピ』

日本における自動販売機用アプリとしては、『Coke ON』(Coca-Cola)があります。同アプリは2016年4月にリリースされたコカ・コーラの自動販売機用のアプリで、『ジハンピ』と同じく対応の自動販売機でキャッシュレスで飲料購入ができます。

そのほか、歩数目標を設定して毎日歩いてスタンプをゲットして(Coke ONウォーク)、スタンプ15個で飲料が無料になるシステムなども用意されています。 Sensor Towerのデータによると、『Coke ON』と『ジハンピ』は飲料カテゴリーアプリのダウンロード数ランキングで上位争いを繰り広げています。

Rankin-trend-CokeON-and-Jihanpi-JP

2025年3月15日から4月30日までの間で、『ジハンピ』は3月16日の2位を除いてトップを独占しており、その存在感が際立っています。

Sensor Towerのデータによると、2025年第1四半期の日本のApp Storeにおける両アプリのユーザー男女比は、男性6:女性4となっています。また、年齢層で見てもほぼ同様の傾向が確認でき、35歳~44歳の層が最も多く(約30%)、次に多い25歳~34歳の層(約25%)と合わせると50%以上となっています。

User-demographic-CokeON-and-Jihanpi-JP

冷たい飲み物の需要が高まる夏に向けて、今後この2つの自動販売機向けアプリがどういった施策を消費者に向けて打ってくるのかに注目したいところです。

Sensor TowerのApp Performance Insightsのユーザーは、過去のパフォーマンス指標に加えて、アプリ収益とアプリダウンロード数の推定値を見ることができます。本レポートのSensor Towerの収益予測はApp StoreおよびGoogle Playからのもので、ユーザー総消費額を表しています。

また、データにはサードパーティのAndroidマーケットデータは含まれておらず、App StoreもしくはGoogle Playアカウントの初回ダウンロードのみ集計しています。同じアカウントが他のデバイス、もしくは同じデバイスで行った重複ダウンロードは集計に含まれていません。ダウンロードデータは同じアプリの異なるバージョンもまとめて集計しています(例:FacebookとFacebook Lite)。なお、Google Playは中国本土では利用できません。

Sensor TowerのApp Performance Insightsで、過去のデータを検索しましょう!「ミーティングを希望」ボタンから弊社スタッフとのお打ち合わせの設定が可能です。 :

https://sensortower.com/ja/demo

Sensor Towerの紹介

2013年にサンフランシスコで設立されたSensor Towerは、P&G、Tencent、HBOなどのグローバルデジタル企業から信頼されている、データや分析環境を提供する企業です。モバイル市場のトレンド把握に役立つApp Performance Insights、広告戦略の最適化に活用いただけるApp Advertising Insightsなど、デジタル分析プラットフォームとしてモバイルのあらゆる場面で質の高いインサイトと先進のカスタマーサポートを提供しています。

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Hideyuki Tsuji

Written by: Hideyuki Tsuji, Mobile Insights Strategist - Japan

Date: June 2025